法律研究
*以下の研究は、一般的な法律論を前提とするものです。実際の紛争については、弁護士に相談してください。
選挙無効訴訟の現在
2023年3月20日、弁護士を対象とした選挙無効訴訟の現在について研修会が開かれました。以下は、当職が講師としてお話させていただいた内容(概要)となります。時間の関係でお話できなかった内容も補充しております。
考察のための視座序説
争点整理は、民事訴訟の審理に必要不可欠の手続過程である。我が国の法律実務家の言う証明責任とは、確定責任のことを指している。要件事実論は証拠の偏在について無力である。法律実務家の言う論理は伝統的な論理学の言う論理とは別物である。・・>続き
医師の応招義務について
医事法は、医療に関する法のことである。医事法には多種多様なものがある。医師法もそのひとつである。医師法1条(昭和23・7・30法律第201号)は、「医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」と定め、医師の任務について語っている・・ > 続き
知財権が侵害されたときの損害賠償の範囲
日本計画研究所にて、上記テーマで講演を行いました。
自分の車を壊された人が、もし、事前に自分の車を壊す権利を売っていたとしたら、その代金は、修理費相当額となるであろうか。
特許権を侵害された者が、もし、事前に特許権を侵害する権利を売っていたとしたら、その代金は、ライセンス料相当額となるであろうか。
要件事実論の憂鬱
要件事実論の憂鬱について、日大法学紀要(第56巻141頁)に論考が掲載されました。
民訴カフェ
民事訴訟に関するいろいろなお話
東京弁護士会医療過誤法部でのレポート
平成26年1月20日東京弁護士会医療過誤法部で当事務所所属弁護士永島賢也が判例報告をしました。
> レジュメ(一部)(PDF)
知財高裁判例集勉強会レジュメ
平成25年10月29日開催 iplnet
当事務所所属弁護士永島賢也の報告レジュメです。
知財高裁平成23年5月19日判決/メタルハライド光源装置用交換ランプ
不正競争防止法2条1項1号、商品形態
技術的形態除外説/調整不要説/競争上似ざるを得ない形態除外説
第56回日弁連人権擁護大会プレシンポジウム
福島県弁護士会主催。浪江町視察、ワークショップ、シンポジウムなど
知財高裁判例集勉強会レジュメ
平成25年4月30日開催 iplnet
当事務所所属弁護士井上真の報告レジュメです。
倒産処理法講義案 導入編
ロースクールの倒産処理法の講義の導入部のテキストです。当法律事務所所属弁護士永島賢也の作成したものです。過去、筑波大学法科大学院のゼミや成蹊大学法科大学院の倒産処理法Ⅰの講義内容を反映しています。そのほか、各種団体での倒産法講演でも触れたものです。
知財高裁判例集勉強会レジュメ
平成25年3月26日開催 iplnet
当事務所所属の弁護士永島賢也が弁護士知財ネットの勉強会で報告いたしました。そのレジュメは以下のとおりです。
不法行為の抑止
民事裁判の活性化のために、抑止的付加金について・・・> 続き
公害等調整委員会
公調委では、裁判所での民事訴訟手続とは違い、職権で証拠調べや事実調査が行われ、主な手続費用が国庫負担とされ、その手続が効率的であるとされています。
たとえば、近隣で大規模な建築工事がなされ、その騒音や振動に悩まされたとき・・・>続き
クラウドと著作権法
我が国ではクラウド(雲)は育たず、著作権法上、晴天なり、というアイロニーも現実味を帯びてくるかもしれません。
アップルvsサムスン 東京地裁判決
平成24年8月31日、東京地裁は、原告アップルインコーポレイテッドと、被告日本サムスン株式会社同サムスン電子ジャパン株式会社との間の訴訟につき終局判決を言い渡しました。・・> 続き
国際裁判管轄
今般、民事訴訟法の一部が改正され、平成24年4月1日から国際裁判管轄に関する規定が施行されることとなりました。
今まで、国際民訴法の規定がなかったため、条理に基づいて裁判籍の規定に国内管轄と国際裁判管轄の二重機能を認めたうえで(いわゆる逆推知説と言われる考え方)、当事者間の公平、裁判の適正・迅速に反する特段の事情が認められる場合には、それを修正して我が国の国際裁判管轄が否定する(訴えは却下され、裁判所の実質的な判断はなされない)という取り扱いがなされてきました。
この準則は、今回の民訴法の一部改正により修正されたのでしょうか。それとも、この準則を従来のとおりにいわば追認するような形となったのでしょうか。・・> 続き
建築紛争
見方を変えれば、工事の内容に強い不満があって「こんな状態で工事が完成したなんてよく言えるなぁ」と憤慨していても、法律的に瑕疵に基づく責任追及を目標とするなら、予定された工程は終了していることを認めたうえで法的請求をする方がよいことになります・・> 続き
研修会資料(平成24年1月23日東京弁護士会館にて開催)
倒産処理法の研修会において、当事務所所属弁護士永島賢也が作成したプレゼンテーション資料の一部です。
抑止的付加金のプレゼン資料(パシフィコ横浜にて開催)
平成23年11月11日、シンポジウムのプレゼンテーション資料の一部を掲載します。
抑止的付加金
下記の文章は、平成23年11月11日、パシフィコ横浜で開催されるシンポジウムの民事裁判の活性化に関する当事務所所属の弁護士永島賢也の基調報告の一部です。内容は抑止的付加金制度の導入についてコメントするものです。現時点(2011年11月)では、そのような制度は設けられていません。立法提言にかかわる話題です。・・> 続き
任意後見契約の問題点
つまり、日頃から、身の回りの世話をしつつ、任意代理人として活動していたところ、その後、本人の事理弁識能力が不十分になってしまったのに、家庭裁判所 への請求をせず、そのまま、自由に財産管理を継続させてしまうという問題です ・・> 続き
アウトサイダーへの誘惑 (ゲームの理論風に)
このように、パテントプールA(ないしそのライセンス会社)は、独占禁止法への抵触もケアしながら、市場に多くのライセンシーを呼び込み、しかも、アウトサイダーへの誘惑を起こさせないという、均衡のあるライセンス料の設定(その他の条件)に苦心することになります。 もっとも、現実は、もっと、複雑であり、かつ、必ずしも、誰もが合理的に振る舞うとは限りません。d社が、パテントプールAのルールが気に入らないとの 理由で、たとえ、自己の収入が減っても離脱してしまうこともあり得ます。プー ルの設定したライセンス料から想定される市場参加社数も変動する、あるいは、 予想のつかない部分もあります。 ただ、ライセンス料やその他の条件の設定には、非常に微妙なバランス感覚が必要になる・・> 続き
発想するパテントプールの行動学
パテントプールには、広い意味では、ひとつかそれ以上の特許権を第三者にライセンスするための特許権者間の合意といえますが、通常、ライセンス会社が関与しているので、例えば、特許権等の保有者がその特許権等をライセンス会社に 集積し、ライセンシーに対する再実施許諾権付きで実施許諾する合意と言ってもいいかもしれません(東京地裁平成14年6月25日判決、同15年6月4日判決参照)。・・>続き
*これは、経済産業調査会でのセミナーの内容の一部抜粋です。
民法改正の話題 (概観)
今、なぜ、民法(債権法)改正なのか・・・中略・・・(1)経済・社会の変化、(2)国際的調和、(3)条文の外に形成・蓄積されている膨大な規範群の存在が、民法改正を提案する理由として掲げられています。・・>続き
知財ライセンス戦略と倒産リスク
これは、今回、新破産法が制定される以前から述べられていたライセンス契約の法的保護について、その懸念に答えたものです。現行の破産法は、平成17年1月1日に施行されました。しかしながら、破産法が採用した対抗要件の有無によるアプローチについては、結果として「やぶへび」となったのではないかと見る向きもあるようです。・・>続き
民事執行法の条文の構造
民事執行法1条は、強制執行、担保権の実行としての競売、及び、民法、商法その他の法律の規定による換価のための競売、並びに、債務者の財産の開示について・・・と述べ、4つの手続について、定めています。すなわち、・・>続き
クラウド・コンピューティング(内部統制システム関連)
この言葉自体、 変化の真っ直中にありますが、現在のところ、パソコンや携帯電話を問わず、雲 (クラウド)のように広がるネットにアクセスすれば、いわば恵みの雨として、 自由に必要な情報を利用できる状態になることを指すと説明されています。・・>続き
年金記録確認第三者委員会
被保険者期間を計算する場合には、
月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の「前月」までをこれに算入すると定めています(厚生年金法11条)。
退職がたまたま月末だった場合、退職日が3月31日だから資格喪失日も3月31日であろうと思って届け出ると、3月の前月である2月までが被保険者期間となり、3月分が空白になってしまうおそれがあります。
離職日と資格喪失日の混同のケースとして、このような場合は、年金記録の訂正を求めることになるでしょう。・・>続き
イギリス個人信託(講演)
平成20年11月24日(月)、秋葉原ダイビル14階にて、Richard Moyse 氏をお招きし、The use of private trusts in the United Kingdom と題して、英国での個人信託の現状と課題とする講演会が開催されました。・・>続き
文書提出命令とDiscovery
裁判をすることになって、重要な武器になるものは、やはり、証拠です・・>続き
海外の会社
海外の会社は、当然に、我が国において、国内の会社と同じように、訴えたり、訴えられたり、あるいは、仮差し押さえをかけたり、仮処分のかけたりすることができるのでしょうか。・・・>続き
Parens Patriae
Parens Patriae とは、米国のクラスアクション訴訟(連邦民事訴訟規則23条(b)(3))に類似している制度ですが、クラスアクションと異なり、原告が、クラス代表(class representative)ではなく、司法長官(Attorney General)であって、司法長官が、州民を代表して訴訟を遂行する点に特徴があります。・・>続き
米国視察・クラスアクション
たとえば、独占禁止法に違反した業者によって、ある商品について、共同で価格がつり上げられてしまい、そのことによって、より高額の商品を購入させられたユーザーが、その分、金銭的損害を被ったとして訴えを提起する場合、あるユーザーが、クラス代表者(class representative)として名乗り出て、自分自身と、他のユーザー (class member・クラスメンバー)のために、原告として訴訟を遂行し、その結果、言い渡された判決や、和解の効力が、すべてのクラスメンバーに及ぶという訴訟類型です。・・・>続き
米国視察・ディスカバリ
ディスカバリ(Discovery)とは、開示手続のことです。訴訟が提起されると、この手続により、訴訟の当事者は、有利不利を問わず、相手の有する証拠(情報)を取得することができます。・・・>続き
家事審判法の見直し
現行家事審判法は、審判事項を、甲類と乙類に分けています。甲類は、争証性のない事件、乙類は、争証性のある事件とされています。つまり、甲類と乙類の分類は、 対象となる事件の争証性の有無(二当事者が対立する構造かどうか)で分けられているといえます。 しかしながら、甲類に対応する手続はこれこれで、乙類に対応する手続はこれこれというように、それぞれ、事案の争訟性に応じた手続は用意されておりません。 甲類と乙類の違いは、調停ができるかどうかという区分になっています。・・・>続き
ライセンス契約違反の解釈と並行輸入
いわゆる並行輸入において、商標が付された商品を「輸入」する行為は、商標の使用にあたり(商標法2条3項2号)、我が国の商標権者の許諾を得ていない以上、形式的には商標権を侵害することになります・・・>続き
非訟事件手続法・家事審判法の見直し
平成20年5月、現在、非訟事件・家事審判手続の見直しに関する検討が進められています。
この家事審判法、規則、非訟事件手続法等の改正の動きは、家事審判における手続保障というテーマについて、従来、訴訟と対比して特色がある(たとえば、弁論主義に対する職権探知主義という2項対立の図式など)という、・・・>続き
株主権の縮減
つまり、「株式交換」以前に株主であった従来の会社との関係が、親会社を介した間接的な関係になり、いわば直接的な関係から間接的な関係へ一歩後退する形となります。このことを・・・>続き
米国シャーマン法違反とマイクロソフト社
市場の独占それ自体については、これをもって、シャーマン法2条に違反するというものではありません。行為者が、排他的行為を行うことにより、独占状態を獲得しもしくは維持し、あるいは獲得ないし維持しようと企てた場合にはじめて同法違反となります。かかる排他的行為は、製品の優秀さ等の結果として生じる成長や発展とは区別されるところのものです。・・・>続き
少額管財
少額管財手続とは、管財手続でありながら同時廃止事件と同様のスケジュールで免責許可の決定まで進行させる手続です。・・・>続き
会社法の合憲性
平成18年5月1日、会社法が施行されました。それまで、商法と呼ばれていましたが、以前から、法律家の間では会社に関する部分を「会社法」と呼ぶことが多かったので、ほとんど違和感なく受けとめられているよう・・・>続き
M&Aとは
ライブドア社が、フジテレビ社によるニッポン放送社の株式の公開買付期間中、わずか30分未満の間にToSTNeT取引によって発行済株式総数の30%弱の同社の株式を買付け、その結果、約35%の同社の株式を保有するに至ったことは、公開買付制度が保護する会社の支配価値の平等分配に与する機会を投資家から奪って・・・>続き
筆界確定
では、どうして、我が国においては、所有権と切り離しして公簿上の境界線(筆界)のみの確定という考え方が通説・判例となったのでしょうか・・・>続き
過失の再主観化とは
過失の客観化と言われて久しい。過失は、行為者の具体的な心理状態のことを指すのではなく、ある状況に置かれた人に一律に要求される一定の義務を尽くしていないこと、すなわち客観的な義務違反のことを指すとされ・・・>続き
生存していた相当程度の可能性について
では、「生存していた相当程度の可能性」は、この「権利侵害又は法律上保護される利益」に含まれるでしょうか。最高裁は、医療関連訴訟において、次のように、判断しています(平成12年9月22日第2小法廷・不安定狭心症から切迫性急性心筋こうそくに至り心不全を来した事例)。少し、長いかもしれませんが・・・>続き
ライプニッツと言えば
ライプニッツといえば、微積分法を発見した数学者(1646-1716)のことを思い出すのが普通なのかもしれません。しかしながら、損害賠償請求事件で(とりわけ交通事故訴訟において)ライプニッツという言葉が出てくるときは、ほとんどの場合、ライプニッツ係数のことを指しています。例えば、交通事故の後遺症により労働能力が一部失われた場合など・・・>>続き
並行輸入
ブランド品の輸入には正規の輸入ルートと、それとは別の並行輸入というルートがあるそうですが、並行輸入とはどのような輸入のことをいうのでしょうか?・・・>続き
RSSと著作権判例
RDFとは、Resource Description Framework の頭文字をとった略語です。直訳すれば、「資料を叙述する枠組み」です。不正確にはなりますが、思い切りよく大雑把に言えば、RDFは、「書いてある内容の要素の取り出し方のルールのこと」と・・・>続き